博西神社(はかにし)

葛城市新庄町寺口1231 mapfan

鳥居と拝殿

交通案内
近鉄御所線新庄駅下車 西へ2km



祭神
下照比売命 配 菅原道真


由緒
 『大和紀伊寺院神社大事典』によれば、もと倭文神社とも称し、天羽雷命を祭神としていた。口碑には當麻町太田の棚機の森から同神を勧請したと言う。明治初年に『大和志』の記載により、天羽雷命は當麻町加守の葛木倭文坐天羽雷命神社が同名の式内社にあたるものとして、当社は下照比売命を祭神として祀るようになった。

 當麻町太田には七夕の小字が残っているそうで、棚機と下照比売からはどうしても次の歌を引用してしまう。
天(あめ)なるや 弟棚機(おとたなばた)の うながせる 玉の御統(みすまる) 御統に あな玉(だま)はや み谷 二(ふた)わたらす 阿遅志貴高日子根(あぢしきたかひこね)の神そ(古事記)
 巫女は神服を織ったのであり、天照大神も稚日女神もそうで、下照比売もまた機織りに従事したのであろうか。 また下照比売をして渡来系の機織り集団が祀った女神との見方もあるようで、いずれにしてもよき女神を祀る美しい神社である。

 慶長六年(1601)に領主の桑山氏は自らの産土神の尾張の諸鍬神社を勧請し、諸鍬神社を創建、在来の神社は衰亡したようであるが、当社は室町様式をよく伝えた。


国重文の本殿


お姿
 小字大屋の西、寺口に入った山麓に鎮座、神社は屋敷山古墳の西に鎮座するので陵西、墓西とも書くと言う。 中世、新庄の支配者の布施氏の氏神で、二殿とも一間社春日造。 両殿を障塀で連結している珍しい形。 室町後期の様式、改修工事で、建立時の極彩色が復活したそうで、見事である。
 隣家の犬がうるさく吠える。


お祭り
春祭  3月25日
夏季大祭  7月15日
例祭  10月 7日


参考

『寺院神社大事典 大和紀伊』

大和の神々
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