石上市神社
天理市石上町255mapfan


鳥居と拝殿

交通案内
JR櫟本駅 南へ 800m

祭神
少彦名命

由緒
 『延喜式』山辺郡の「石上市神社」に比定される。元は東方の平尾山に鎮座と伝わり、平尾天神宮と称したと言う。 『日本書紀』顕宗前紀に「石の上 振るの神榲 本伐り 末戴ひ 市辺宮に」(いそのかみ ふるのかみすぎ もときり すえおしはらひ いちのべのみやに)の歌があり、石上に古代の市の存在を伝える。 当地は南北の上ツ道、東西の竜田道の交叉する交通の要衝に近く、都祁方面の産物と、国中や東の海からの産物との交易の場であったのだろう。

 『大和志料』によれば、石上市本神社を正しい社名としている。また櫟本の治道宮(和爾下神社)比定している。

お姿
  櫟本から南へ行き、都祁方面のハイウエイをくぐり、数百メートル。
 この道筋はより南の市座神社の鎮座する道筋に雰囲気が似ている。「市」のたつ所の雰囲気だろう。
 神社は袋小路に鎮座する。本殿はおごそかだが小振り、社域も背後の社叢には大きい木々も見られるが、さほど広いものではない。


本殿



お祭り

 例祭  9月29、30日 


『妖怪の民俗学』宮田登著から
 商いは世俗的な行為のように思われているが、本来、市神の守護のもとで幸運を人々に与えるというのが「市」の意味であり、市が存在するところは聖域であって市神が支配している場所であった。 だから商売で儲けるということより神から幸運が与えられるところが市だと考えていたのが古い形といえるだろう。

 市はまた虹が立っているふもとにあたる。人はしばしば虹の下に行ってみたいという願望にかられる。そこへなぜ行きたいのかといえば、虹の下に市が立っているからだと説明されていた。 虹の下へ行くと素晴らしい泉があり、そのまわりに市が立っていた、たいへんな幸運に恵まれる。虹とは日本語では「蛇」をあらわしている。そこで「虹が立つ」とは、そこに水神があらわれることを意味した。水神のあらわれてくる場所に市が立っており、そこに幸運が集約されているというわけであった。




参考
平凡社 『寺院神社大事典』大和紀伊編
神社本庁 平成祭礼データCD

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