葛城二十八宿 第二十品



大弁財天の大杉


 御所からバスで西佐味。ここから山の方に歩き始める。まっすぐ行きたいが北に振られる。登山口辺りで南に回り込んで帳尻を合わせる。

 40分ほど歩くと、大川神社の巨杉が見えてくる。式内社の大倉姫神社の論社である。

 大川杉を左手に見ながら、さらに登る。広い車道を横切って登っていくと今度は二本に分かれている大きい杉の木が見えてくる。根元に弁天様の祠が鎮座している。この杉は高鴨神社から持ってきた杉だと言う。

大杉


高宮廃寺

 弁天様からさらに登っていく。金剛山登山口が出てくる。20分ほど歩くと、道の右側に石の道標が出てくる。右こうや、左よしの。良くわからない。

 さらに10分ほど歩くと分岐道が出てくる。

分岐 左は登山口 右は高宮廃寺跡

 金剛山には左の狭い道を登ることになる。まっすぐ行く広い方の道が高宮廃寺跡に行く道。ほどなく右手に木立の向こう側に廃寺跡が見えてくる。
 標高550m。高宮段と言う小字名が残っている。国指定の史跡。日本霊異記にも記載がある。史跡高宮廃寺跡の碑が立っている。周辺には奈良時代の礎石群が残っているようだ。
 高鴨神社のカンナリはここから発せられているのではあるまいか。

史跡高宮廃寺跡

石寺跡 mapion

 高宮廃寺跡から一旦戻って、先ほどの分岐から金剛山登山道を行く。約40分ほどで石寺跡の石垣跡が現れる。

石寺跡の石垣

 金剛山七坊の一。『諸山縁起』に、「本尊七躰なり。薬師三尊。弥勒三尊。月動大聖なり。云々」とある。『寛文記』には、行者堂・葛城明神祠・金剛童子堂・八王子祠・鎮守三十八所社などがあったと伝えている。

 葛城二十八宿の二十番の経塚とされる巨大な花崗岩の自然石が坊跡に立っている。前に「妙経常不軽菩薩品第二十之地」の標石がある。
 ここから金剛山頂には約1時間の登山。

巨大な花崗岩の自然石

碑文

『葛嶺雑記』 嘉永三年(1850) 三浦茂樹 から

 石 寺  和州葛上郡金剛山惣坊の内 五條御代官支配所

 本堂薬師と日光月光仏 又弥勒・文殊・普賢・開山堂御作の神変大士御壮年の像のあり小野篁作、三十八所明神、経塚石
妙   常不軽菩薩品第二十之地
石寺にみとりの色のまき葉たつ華たつさかりをみるよしもかな
 

 


参考資料  『寺院神社大事典大和紀伊』、『葛城の峰と修験の道』

葛城二十八宿

神奈備にようこそ