天石門別八倉比売神社
徳島市国府町矢野字宮谷531 mapfan

鳥居


交通案内
府中駅 南西 3km


祭神
大日孁尊

阿波史跡公園


由緒

 同じ名前の延喜式内大社に比定されている。
 「杉尾さん」と呼ばれている。鎮座地の気延山は矢野神山とも云い、神聖なお山と仰がれてきた。気延山の中腹に宮山古墳があり、三角縁神獣鏡が完全な形で発見されている。これは京都府八幡市から出土したものと同じ鋳型から作られている。また神社の南400mから突鈕六区画線袈裟襷文の銅鐸が出土している。埋めた周辺に七箇の柱穴があり、上屋に覆われての埋納だったようである。弥生時代から古墳時代にかけて阿波国の中心地となっていた土地柄のようだ。

 吉田東悟『地名辞書』によれば、「阿波志云う、八倉比売神社は一宮であり、矢野村杉尾社は大御和神社とすべきである。杉は三輪神に因むとある。」
 なお、当社が紀州へ勧請されて現在は有田郡金屋町と清水町の二社の生石神社となっている。

社殿

 社殿は古墳の前方部に建てられており、後円部の頂上に奧の院として青石の水口積みの五角形の祭壇があり、上に祠がおかれている。その中に鶴石亀石を組み合わせた「つるぎ石」が立ち、永遠の生命を表していると云う。

本殿

 天石門別神は天照大神が隠れた天岩戸の神格化した神とされているが、櫛石窓神の別称で、太玉命の子に当たる。当社の神社名は天石門別神と八倉比売神社を祀ると理解していいのだろう。『安房斎部系図』に、「天背男命の后神が八倉比売神で、その子が天日鷲翔矢命」とある。天日鷲翔矢命は天日鷲命のことで阿波忌部の祖とされる神である。
 また、天石門別神は天岩戸を開けた手力雄神に比定されることが多いが、この神は銅鐸のパワーを秘めているように思われる。阿波では名東郡佐那河内村に天岩戸別神社が鎮座しており、この佐那はサナギであり、銅鐸であると思われる。現に銅鐸が埋納されており、それを祠で祀っていたようだ。


お姿
 社殿に向かって右側の道を登っていくと、五角形の石積みの場所に出る。参詣時は4月下旬、石積み付近とその上には紅の花びらが一面に敷かれていた。某女流漫画家さんのお話では、椿の花が要所要所に現れると云うことがあるそうで、「邪馬台国阿波説」の卑弥呼の墓に擬せられているこの五画形の神陵周辺が花びらで一杯と云うのも、その辺を訴えているのかも知れない。山椿の花びらと思われる。
 また、某テレビ局の放送で、五角形の正面に向かって右側の前方の地中に石棺と思われる人工物が埋まっているのを発見していた。被破壊検査の方法であった。古墳であるから埋まっているのは当然であるが。

五角形の祭壇


お祭り
 10月 13日 例祭

摂社 箭執(やとり)神社      松熊神社
 

参道途中の鳥居と石段        気延山
 

 『徳島県神社誌』、『平成祭礼CD』、『式内社調査報告』、『徳島県の歴史散歩』、『日本の建国と阿波忌部』

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