自凝神社
兵庫県南あわじ市南淡町沼島73 its-mo

石段


交通案内
沼島浦の南のオノコロ山中腹

祭神
伊弉諾神、伊弉冉神、天照皇大神


由緒

 『古事記』の冒頭のお話

 ここに天つ神、諸(モロモロ)の命(ミコト)もちて、伊邪那岐命(イザナキノミコト)・伊邪那美命(イザナミノミコト)二柱(フタハシラ)の神に、「このただよへる国を修(ヲサ)め理(ツク)り固め成せ。」と詔(ノ)りて、天(アメ)の沼矛(ヌボコ)を賜ひて、言(コト)依(ヨ)さしたまひき。かれ、二柱の神、天(アメ)の浮橋(ウキハシ)に立たして、その沼矛(ヌボコ)を指(サ)し下(オ)ろして画(カ)きたまへば、塩こをろこをろに画き鳴(ナ)して引き上げたまふ時、その矛の末(サキ)より垂(シタタ)り落つる塩、累(カサ)なり積(ツ)もりて島と成りき。これ淤能碁呂島(オノゴロシマ)なり。

 この淤能碁呂島に沼島が比定されており、当オノコロ神社はその記念碑的神社とされているようだ。従って島の内外からの信仰は篤い。

本殿

 オノコロ島の比定地は近畿地方を中心にいくつか名乗りを上げている。
 兵庫県津名郡淡路町岩屋 絵島
 兵庫県飾磨郡家島町 家島
 兵庫県洲本市上内膳 先山
 和歌山県加太町 友ヶ島
 鳴門海峡 飛島
 滋賀県琵琶湖 竹生島
 大阪府奈良県 金剛山
 京都市左京区 大文字山
 兵庫県南淡町 諭鶴羽山
 兵庫県三原町榎幡多 自凝島神社 
 福岡県博多湾 能古島

 交野の吉向窯で海水から塩をとる作業をしたそうだ。この時、塩竃の底で塩と水とは一瞬勾玉の形をなして、まさにコオロコオロと音をたてて固まっていったそうである。 国生み神話は製塩にかかわる海人が朝廷に持ち込んだ物語と思われる。
 道具に、天の沼矛が使われている。玉で飾られた矛だそうだが、矛は九州に出土の多いものであり、この物語も九州から運ばれてきたものがも知れない。
 潮をかき混ぜて固める物語は、『播磨国風土記』揖保郡揖保の里の條に、天日槍命が剣を以て海水を掻き回して(固めて)これに宿ったとある。海人族の持つ塩をとる様がこのような同種の伝承を生んでいったのであろう。無から有を生じる、液体から固体を生じる、力のある神の業と見たのであろう。 矛も剣もそのようにして出来てきた。

諾冉神の像、向こうに本殿


お姿
 当社は沼島浦を挟んで鎮座する神明神社から勧請されたものと云う。元々神奈備山で、社殿はなく、いつの時代にか造られていたようであるが、朽ち果てていた所、大正時代、島外にいた篤志家が動いて再建したようだ。

 石段は新しく造られている。瑞玉姫の碑がさるが、どのような姫なのだろう。

拝殿から本殿を見る。


お祭り
  10月 9,10日 例祭

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