播磨国風土記の旅−太子町佐用岡、鵤−
太子町佐用岡、鵤 its-mo斑鳩寺

交通

王子神社→20分→佐用岡大歳神社

  王子神社から適当に南下、広い道があった。上太田鵤線のようだ。小生の地図(昭文社)では、この道の南側に大歳神社とあるが、遠目にも北側に鎮守の杜が見えている。どうやら新しい道のようだ。陸上競技場を越えて大歳神社に至る。
 『風土記』の枚方の里は佐用岡字平方に当たる。品太天皇の国見をした山を御立阜と言うが、今の立岡山に比定される。巨大な給水タンクが鎮座している。そこへ新幹線が突っ込んでいく。

 『風土記』に佐比岡が出てくる。佐用岡のこととされる。 物語は「佐比と名づけるわけは、出雲の大神が神尾山におられた。この神は、出雲の国の人でここを通りすぎるものがあると十人のうち五人をとり殺し、五人のうち三人を殺した。そこで出雲の人たちは佐比(鋤)を作ってこの岡に祀った。だが神はこれをこころよく受納されなかった。そうなったわけは比古神(男神)が先に来たが、比売神(女神)が後になって来たので、この男神はこころよく鎮まることができずに立ち去ってしまった。そんな訳で 女神はこれを怨み怒っているのである。そういうことがあって後、河内の国の茨田の郡の枚方の里の漢人がやって来てこの山の付近に住んだで、これをうやまい祭った。そこでどうやらわずかに御心をやわらげ静めることができた。この神がおられるので神尾山という。また佐比を作って祭った処をすなわち佐比の岡とよぶ。
 河内の国の茨田の漢人と言えば、治水技術に通じていることで有名。やはり半殺し説話は洪水のことか。
 次の大歳神社の北に男明神があり、また隣に女明神もあり、『風土記』の比古神、比売神を思わせる。

 先の神尾山に神は出雲御蔭大神と言い、その末裔である額田部連久等々によって祭り鎮めたとも記されている。枚方の里の神尾山、どの山に当たるのだろうか。笹山の南の竜野バイパスが突き抜けている小山だろうか。

大歳神社
兵庫県揖保郡太子町佐用岡


大歳神社の神門


祭神 用明天皇
由緒 聖徳太子の父君の大王を祀っている。斑鳩寺の鬼門守護神かも知れない。


大歳神社の社殿
 



祭日

大歳神社→15分→稗田神社


 鬱蒼とした杜が民家の屋根の向こうに見えてくる。

 

稗田神社(上の宮)
兵庫県揖保郡太子町鵤926


鳥居



祭神 旧 豊受姫大神、素盞嗚大神、猿田彦大神、天鈿女命大神
祭神 現 稗田阿禮大神 素盞嗚大神
由緒 西暦606年推古天皇は、摂政の聖徳太子が経典を講じた褒美に佐勢(させ)の地(後の鵤荘)を与えられた。そこで太子に仕えていた一族(今の奈良県大和郡山稗田付近の)が移り住んで、この土地を管理し、調物を斑鳩宮へ納めていた。やがて猿田彦、天鈿女命の子孫である稗田氏は朝廷に舎人として仕え、聡明で記憶にすぐれた稗田阿礼は、国記や帝紀などをよく学び、日本の国が産まれて以来の古い事柄をよく聞き覚えていた。元明天皇はその阿礼の記憶を、文字をよく知る太安万侶に書きとらせ和銅五年(712)、古事記全三巻ができあがった。やがて当社は、この日本最古の歴史書、神典ともいえるこの書を言い残した稗田阿礼を祭神として祀っていくようになった。(守護神、氏神) 以上は教育委員会による境内の掲示内容。

 斑鳩寺記録では、近世までは膳大娘(太子の夫人)を祭神としていたとする。
 
祭日 10月 14日 2日間 リンク 秋季例祭
 リンク先のHPによれば、秋祭りには、鵤地区から屋台が練り出され、屋台の紋章は前後が橘、左右は三つ巴。
 太子の周辺にも橘が多い。


社殿
 

稗田神社→10分→斑鳩寺
神社から南へ向かう。幼稚園の向こうに寺院が見えている。

 

斑鳩寺
兵庫県揖保郡太子町鵤


山門



薬師如来、釈迦如来、如意輪観世音菩薩 リンク 斑鳩寺の仏像
新西国霊場の第三十二番。天台宗。
由緒 推古天皇十四年(606)、天皇は太子に請うて勝鬘経を講ぜしめられた。そこで太子は豊浦宮でこれを講ぜられること三日で終わった。その夜仏天が感応し給いて、蓮花の花が講演の地にふり布いたと伝えられる。
 この歳又太子は法華経を岡本宮で講ぜられ、次いで維摩経をもご講演されたのである。
 天皇はその妙味を叡感され、播磨国揖保郡に於いて水田三六〇町を太子に賜った。よって太子はこの地を斑鳩荘と名づけられ、一つの伽藍を営ませられた。これが仍ち当寺である。往古には七堂伽藍、数十の坊庵がいらかをならべ、真に壮麗を極めたが、天文一〇年(1542)赤松、山名の争乱の戦禍にかかって惜しくも堂塔尽く焼失した。その後楽々山円勝寺の昌仙法師により漸次再建されたのである。
 当寺は太子ご創建から壱千年間は大和法隆寺の支院であったが、火災再建後天台宗となる。(以上 境内掲示 教育委員会)


三重塔と鐘楼
 


本堂


風景

斑鳩寺→30分→厳島神社


 バスの通る道をひたすら南下、立岡山と新幹線をすぎてJR網干駅に近くなる。朝日山の西裾に神社が鎮座。

 

厳島神社
兵庫県揖保郡太子町糸井28


社殿



祭神 市寸嶋比賣命
由緒 不明。石の多い山の神社のようである。
祭日  4月 第一日曜日

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