『平成祭礼データ』
参拝のしおり 御由緒
エビスさんで親しまれている水門・吹上の両神社は湊及び吹上の産土神で、水門神社は昔海部郡湊村和田浜鵜の島にあったが名応年間に大海嘯が起って社殿が砂に埋没したので住民らが今の西河岸町に移し更に其後三十年程へて大永三年六月二十三日に現在位置に移したものである。吹上神社は今の植松町の南二本松の辺にあったが天正年間に合祀したものである。
水門神社は蛭児神(恵美須さん)、吹上神社は大己貴神(大国さん)が御祭神である。
恵美須さん大国さんの二柱の福の神を祀っている。その鎮座地は神武天皇が東征のみぎり、御兄の彦五瀬尊が和泉で長髄彦の流矢に当り出血甚しく雄詰男の芝で崩御された旧跡である。この辺を男の芝とも、男之水門、雄湊とも言われている。
(十日戎)
正月九日の宵戎、十日の本戎、十一日の残り福といって福を授かるべく老若男女の参詣し吉兆(福笹)を求めて帰る人の夥しい事は今も昔も変わりない。
(牛の舌餅投げ)
牛の舌餅という「のし餅」は毎年十一月二十三日の新嘗祭に行なわれている。一時は中断されていたが現在では復活している。
これは何時の頃より始められたか詳かではないが牛祭りに投げたものと言われている。(牛祭りの事については寺社書上「旧藩の時の記録」にあり)
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