保久良神社(ほくら)

神戸市東灘区本山北町680 its-mo


鳥居   拝殿
 


交通案内
阪急神戸線岡本 北東へ20分金鳥山中腹



祭神
 主神  須佐之男神
 相殿  大歳御祖神、大国主命、椎根津彦命
 末社  祓御神社(天照皇大神、春日大神)

拝殿とその前の磐座(立岩)




由緒
 式内社。元禄時代に祇園信仰の影響で牛頭天王が合祀された。それまでの主祭神は椎根津彦命であった。 神武東征時速吸之門(明石海峡)に現れて軍勢を先導した神の珍彦(うづひこ)のことである。 「倭直部の始祖」で、大和神社の祭祀氏族の祖神とされる。
 『日本の神々3』によると、吉井良隆氏は「椎根津彦命は大阪湾北側を支配する海部の首長であったとされ、西宮夷の奥夷社の元宮」と推測されている。
 ホクラ神社の名を持つ古社は和泉市に穂椋神社がある。ホクラとは秀座で、境内の楊梅林には磐鏡、磐座(神生石)が至る所に点在しているようだ。

 瀬戸内に多い高地性集落の後、祖神を祀った聖地であったのだろう。石器の石斧、石鏃、銅戈などが多数出土している。更に祝部土器、須恵器、玻璃製勾玉なども出ている。祭祀用であろうとされている。

 背山には竪穴式遺構や壺、甕がでている。東の大倉山遺跡、西に伯母山遺跡があり、同じ高度である。


本殿、本殿床下も磐座




お姿
  標高180m、近所の人々の一寸した運動に良い高さである。参詣の人々は多い。境内の楊梅林は鬱蒼としている。鳥居は新しい。まことに佳い神社である。
 眼下に高級住宅街、大阪湾、遠く紀州の山並みが望まれる。「灘の一つ火」と呼ばれた石灯籠があり、古来神火とされてきた。高地性集落の情報伝達の姿を彷彿させる。

境内奥の神生石





お祭り
 大俵祭 1月20日、例祭 5月5日

兵庫県の歴史散歩(山川出版社)、日本の神々3(松本翠耕氏)白水社

神奈備にようこそ